2015年01月30日

オバマ大統領「世界の繁栄」実現へのメモ−2

今日の政治経済に関する直感的メモ−2(御笑納を)

 三つ目の政策(侵略政策)については、歴史はノーと審判を下した。一応は?

 二つ目の政策(完全計画経済政策)に関しては、(A)に逆戻りをしてしまったのである。手抜きをしても解雇されない。逆に必死で働いても報われない。そこで旧ソ連などはリーベルマン方式(利潤導入方式)などを入れた。しかし、それでも創意・工夫し必死で働く労働者を育成することは困難であった。それが、ソ連崩壊の本質であった。これは他の社会主義国にも影響を与え、中国は市場開放政策を導入し、ベトナムはドイモイ政策を導入した。
 すると、今度は貧富の格差の問題のみか、過剰生産という壁にいつかぶつかるであろう。このジレンマが社会主義国の本質的課題となっている。

 一つ目(ケインズ型政策)に戻ろう。ケインズにみられた政策により、資本主義国ではインフレという副作用が生じた。当然、マネーサプライを増大させるのだから、フィッシャーの貨幣数量説をだすまでもなく、インフレとなるであろう。しかし、インフレを経済政策の力で封じ込めることが一定可能な幻想に襲われた。結核に対するペニシリンの如くものである。ところがペニシリンショックや、ペニシリン耐用性のある菌が登場してくる。それがスタグフレーションであった。不況とインフレの共存である。
 これに対する政策が採られた。日本では、マネーサプライの増加部分を地下に埋める政策が採られた。即ち、インフレを引き起こす部分を国の借金にまわしたのである。(財政法1条、2条を無視して)。その結果、膨大な赤字国債(千兆円超)の累積となる。まともに返還すれば三百年はかかるであろう。「将来の世代へのツケ」などは経済学者はまともに思っていない。「将来」ではなく、遠い未来へのツケのため気にする必要がないが本音である。三百年とは江戸時代の初めから、明治維新までである。勿論、三百年かけずに精算する手段はあるが、それは禁じ手であり、今は書くまい。

 私の一貫した分析では、二十世紀末から今日までの日本経済の本質はスタグフレーションの変形であった。即ち、インフレ部分を地下に埋めた=国家の大赤字、それと不況である。よって、日本経済はデフレに陥っていたのではなく、スタグフレーションに陥っていたし、今も本質は同様である。こうして、第一のケインズ政策の適用ミスが日本経済を先の状態にした。
 そして、供給サイドの経済学と言いながら、実質はケインズ以前の政策に逆戻りしただけである。その上、供給サイドの経済学を実施する場合には、企業献金などは全面禁止しなければ賄賂政治と同一となる。ところが逆に政治献金容認の動きがでている。これは政治的にはアパシー状況を生み出し、どの政党かではなく、ヒトラー型カリスマ人物への憧憬を呼び起こす危険な政治状況を呼び起こしている。議会よりも、カリスマ的人物を、である。
 さらに、アメリカと日本では経済環境が違うにもかかわらず、アメリカの供給サイド経済学を適用し続けてきた。(日本は終身雇用・年功序列・企業別組合を特徴とし、アメリカと異なる。現代これらが瓦解しつつあるとはいえ、アメリカ型敗者復活戦も装備されず、年齢差別も温存されている)
posted by takachan at 12:34| 政治経済